深刻な伐採による森林消失から回復したコスタリカ
コスタリカについて2回にわたって紹介してきました。
経済的な豊かさだけではなく、自然と共存していこうとする明確な意思を国全体で共有していることが、幸福度を支えているのだと思います。
国土の中央にはグアナカステ火山脈、タラマンカ山脈、ティララン火山脈、中央火山脈といった山脈が連なり、海岸線まで山地が迫っているため、河川は比較的短くて急流になっているという点は日本とも共通点が多いです。
国の半分以上が標高500mを超えていて、気候も熱帯雨林気候から温暖湿潤気候まで幅広く多様な生物も生息しています。
この自然を愛する国もかつては、無計画な森林伐採により深刻な森林破壊が行われていました。
1980年代には年間50,000haの森林が伐採により姿を消していました。
草木が生育していない、はげ山状態の土地も散見されました。
この状態を改善するため、コスタリカ政府は自然資源・エネルギー・鉱物省を作り、環境保全と回復を目指す政策とプロジェクトを推進します。
以降のこうした取り組みにより、森林面積が回復していき、現在のような自然豊かな国土を取り戻していきます。
取り戻した自然の魅力を観光客に共有してもらうエコツーリズムにも活発に取り組みます。
各地域に観光需要を生み出すとともに、住民一人一人に環境保全の重要性が浸透していくようなサイクルが生まれました。
現在はGDPの約半分は観光で占められています。