同じ島国であるニュージーランドに学ぶ・外来哺乳類根絶対策
日本と同じ同じ島国であるニュージーランドについて、前回は地熱発電などのエネルギー政策について学ぶべき点をみてきました。
https://www.sentakushi.com/contribution/newzealand200724.html
今回は外来種根絶の政策についてです。
近代以降、交通手段の進歩により世界的に火との行き来が盛んになりました。
それに伴い、人間以外の種についても海を渡って遠い国に生息地を広めるようになりました。
日本でも人間の手により持ち込まれたマングースやペットとして飼われていたカミツキガメや通称ミドリガメのミシシッピアカミミガメ、食用として輸入されたウシガエル、アメリカザリガニなどが社会問題となりました。
最近ではアリゲーターガーや猛毒のセアカゴケグモやヒアリが発見されてニュースになりました。
強い外来種が既存の生態系に入り込むと、在来種を捕食して絶滅に追いやったり、生息環境を奪ってしまいます。
とくに島国である日本やニュージーランドは海によって他国との生態系が断絶されているため、外来種は生態系に大きな影響を与えます。
日本でも対策を行っていますが、ニュージーランドでは「2050年までに外来種を根絶する」というより強力な対策を危機感を持って実行しています。
そもそもニュージーランドは、哺乳類がいない独自の生態系を作り上げていました。
哺乳類という天敵がいないため、鳥類は飛んで逃げる必要がないため、飛ぶことをやめてしまった鳥がいるのもニュージーランドの特徴です。
ニュージーランドの国鳥であるキーウィなどが代表です。
オコジョやポッサム、ネズミなど外来種によって、年間2500万羽が被害に遭っています。
かつてニュージーランドのスティーブン島にはスティーブンイワサザイというその島固有の鳥が住んでいましたが、灯台守が持ち込んだ一匹のネコによってわずか数年で絶滅させられてしまったという悲劇的な事実もあります。
「2050年までに外来種根絶」という政策自体もそうですが、国鳥でもある飛べない鳥であるキーウィをはじめ独自の豊かな生態系を守るんだという決意が感じられる大胆な政策が生まれ、実行できる風土や国柄こそ一番学ぶべきことなのかもしれません。