プラスチックの3つの再利用法
日本では年間約900万トンのプラスチックが廃棄されます。
2000年には1,000万トンを超えていましたから、少し減少している感じです。
ただ、30年前の1980年には約300万トン程度だったことから考えると3倍に増加しています。
そのうち、企業が50%強、残りが家庭からの廃棄になります。
家庭からのプラスチック廃棄だけでも年間400万トンを超えます。
家庭からの廃棄の約80%がレジ袋や商品の包装・容器ですから、レジ袋の有料化などでプラゴミを減らそうという動きは正しい方向といえます。
日本では、古くからプラスチックの分別回収が行われてきました。
国連の報告書でも日本のような回収サイクルを他国は見習うべきだと指摘されました。
また、リサイクル率も80%を超えるほどで世界でもトップクラスになるほど高いです。
では、プラスチックはどのように再利用されているのでしょうか。
プラスチックの再利用方法はマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3つです。
まず、マテリアルリサイクルは、廃プラスチックをプラスチックの原料として利用します。
不純物が取り除かれて、産業用プラスチックの原料となります。
建築用資材や公園のベンチなどのようなものに利用され、軽くて丈夫であるという利便性があります。
ケミカルリサイクルは、化学反応を利用して廃プラスチックを燃料などにして利用していくものです。
鉄鉱石の高炉に使う還元剤に使われたり、ガスや石油に変換されるなどの利用方法があります。
サーマルリサイクルは、廃プラスチックを焼却した熱エネルギーを利用するというものです。
つまりは火力発電です。
日本の廃プラスチックの再利用方法の7割以上がこのサーマルリサイクルです。
残りがマテリアルリサイクルで、マテリアルリサイクルはごく少ない割合です。
プラスチックのリサイクルというとマテリアルリサイクルのように別のプラスチック製品に作り変えられるというイメージがありますが、ほとんどがただ焼却されるというサーマルリサイクルになっているのが現状です。