家やマンションは賃貸?持ち家を買う?それぞれのリアルな体験談

家やマンションは賃貸?持ち家を買う?それぞれのリアルな体験談

家やマンションに住むなら、ずっと賃貸で暮らすのか。それとも、どこかのタイミングで持ち家を買うのか。

この話になると、人によって考え方がかなり分かれます。

「家賃を払い続けるなら、自分の家を買ったほうがいい」と考える人がいます。

一方で、「住宅ローンや修繕に縛られるくらいなら、賃貸のほうが気楽」と考える人もいます。

どちらを選ぶかは、単純にお金だけでは決まりません。

仕事の場所が変わる可能性。

家族の人数。

子どもの進学。

近所付き合い。

老後への不安。

家そのものにどれくらいこだわりたいか。

同じ年齢でも、生活の中で大切にしているものが違えば、住まいに対する考え方も変わります。

「賃貸か持ち家か」という選択は、住宅の問題であると同時に、「どんな暮らし方をしたいか」という価値観の問題でもあります。

ここでは、実際の暮らしの中で「私は賃貸がいい」と感じている人と、「私は持ち家を買ってよかった」と感じている人、それぞれの体験を紹介していきます。

「家やマンションは賃貸がいい」賃貸派の体験談

「転職するたびに住む場所まで変えています」東京都・36歳・男性

私はこれまで、30代だけで3回引っ越しています。

理由は、すべて仕事です。

最初は新宿方面へ通いやすい場所に住んでいました。

その後、転職して職場が品川方面になりました。

電車の乗り換えが増え、片道1時間近くかかるようになりました。

半年ほど我慢しましたが、毎日のことなので少しずつ疲れてきました。

そこで職場の近くへ引っ越しました。

通勤時間は30分以上短くなりました。

朝も少し遅く起きられます。

帰宅も早くなりました。

その時、「家を買っていたら、こんな簡単には動けなかっただろうな」と思いました。

さらに数年後、また転職しました。

今度はほとんど在宅勤務になりました。

職場へ近い必要がなくなったので、同じ家賃でも少し広い部屋へ引っ越しました。

私は家そのものに強い執着がありません。

広さも場所も、その時の生活に合っていれば十分です。

私にとって家は「一生住む場所」ではなく、「今の生活に合わせて選ぶもの」です。

持ち家の友人からは、「いつまでも家賃を払うのはもったいなくない?」とよく聞かれます。

確かに、家賃を払い続けても自分のものにはなりません。

その点だけを考えれば、もったいないと感じることもあります。

でも私は、その家賃に「動ける自由」も含まれていると思っています。

会社が変わったら引っ越す。

在宅勤務が増えたら広い家へ移る。

収入が減ったら家賃の安いところへ移る。

生活が変われば住まいも変える。

それが私には合っています。

住宅ローンを組んで家を買ったら、転職する時に今ほど軽く考えられない気がします。

「この家から通える会社」という条件が、無意識に増えてしまうかもしれません。

仕事を選ぶ時に家の場所まで気にしたくありません。

住まいのために仕事を決めるより、仕事に合わせて住まいを変えたい。その順番を守るために、私は賃貸を選んでいます。

将来考えが変わる可能性はあります。

ただ、今の自分には持ち家より賃貸のほうが合っています。

「近所の騒音で引っ越せた経験から、家を買うのが怖くなりました」神奈川県・42歳・女性

私は以前、かなり気に入っていた賃貸マンションに住んでいました。

駅から近く、買い物もしやすい。

日当たりもよく、部屋の間取りも気に入っていました。

契約した時は、「しばらくここに住みたい」と思っていました。

ところが、入居して半年ほど経ったころ、隣の部屋の住人が変わりました。

そこから生活が大きく変わりました。

夜遅くまで大きな音がすることが増えました。

深夜に話し声が聞こえることもあります。

音楽なのかテレビなのかわからない低い音が、壁越しにずっと響く日もありました。

最初は「そのうち落ち着くだろう」と思っていました。

管理会社にも相談しました。

注意してもらったこともあります。

それでも完全には改善しませんでした。

私はだんだん、家に帰るのが嫌になりました。

夜になると「今日は静かかな」と気になります。

音が始まるとイライラします。

さらに、「また今日も眠れないかもしれない」と考えるようになりました。

結局、私は引っ越しました。

費用はかかりました。

新しい部屋を探す手間もありました。

それでも、引っ越した日の夜に静かな部屋で眠れた時、本当にほっとしました。

その時から、私にとって賃貸の大きな魅力は「嫌になったら出られること」になりました。

もしあの部屋が自分で買ったマンションだったらどうしていただろう、と今でも考えます。

簡単には売れないかもしれません。

住宅ローンが残っていたかもしれません。

「せっかく買ったのだから」と我慢していた可能性もあります。

もちろん、持ち家でも住み替えることはできます。

でも私には、その手続きや金額の大きさが重く感じます。

家そのものが良くても、隣に誰が住むかまでは選べません。

道路の環境が変わることもあります。

近所に新しい建物ができることもあります。

住んでみないとわからないこともあります。

その経験から、「一生住むつもりで家を選ぶ」という考え方に怖さを感じるようになりました。

私は住まいに完璧を求めるより、「合わなくなった時に離れられる余地」を残しておきたいです。

今の部屋にも永住するつもりはありません。

暮らしやすければ住み続けます。

合わなくなったら、また探します。

それくらいの距離感が自分にはちょうどいいです。

「築20年を過ぎた実家を見て、修繕の責任を持ちたくないと思いました」大阪府・39歳・男性

私は子どものころ、戸建ての持ち家で育ちました。

そのため、昔は自分も大人になったら家を買うものだと思っていました。

父もよく「家賃を払うくらいなら家を買ったほうがいい」と言っていました。

考えが変わったのは、実家が古くなってからです。

築20年を過ぎたころから、少しずつ修理が増えました。

最初は給湯器でした。

次に外壁。

屋根も一部修理しました。

トイレも交換しました。

ある年は、父から「今年は家にかなりお金がかかった」と聞きました。

金額を聞いて驚きました。

私はそれまで、住宅ローンが終われば家にかかるお金はかなり減ると思っていました。

でも、家が古くなれば修理が必要になります。

何か壊れれば、自分で業者を探さなければなりません。

見積もりも取ります。

修理するか交換するかも自分で決めます。

父はそれを普通にやっていました。

私は横で見ながら、「自分はこれをやりたいだろうか」と考えました。

答えはあまり前向きではありませんでした。

私は家を所有することより、家の修繕まで自分で責任を持つことに負担を感じます。

今住んでいる賃貸でも設備が壊れたことがあります。

ある冬、給湯器の調子が悪くなりました。

管理会社へ連絡しました。

業者が来て、後日交換になりました。

もちろん不便ではありました。

でも、修理代を自分で準備する必要はありませんでした。

その時、私はやっぱり賃貸が楽だと思いました。

持ち家の友人からは、「自分で好きなように直せるのがいい」と言われます。

それもよくわかります。

自分の家なら、壁紙も設備も自由に選べます。

でも私は、その自由より「任せられること」のほうを大切にしています。

壊れたら連絡する。

古くなったら、必要なら別の物件へ移る。

自分で大きな修繕計画を立てない。

その暮らし方が気楽です。

「家を持たない」というより、「建物を維持する責任まで持たない」という感覚で私は賃貸を選んでいます。

「子どもが高校を卒業するまで家を買わないと決めています」千葉県・45歳・女性

私たち夫婦は、何度も家を買う話をしています。

住宅展示場へ行ったこともあります。

中古マンションを見に行ったこともあります。

それでも、今のところ賃貸です。

一番大きな理由は子どもの進学です。

現在、子どもは高校生です。

中学生のころから、進学先によって生活がかなり変わる可能性がありました。

高校も自宅から少し離れています。

大学については、どこを希望するかまだわかりません。

県外へ進学するかもしれません。

自宅から通うかもしれません。

私たち夫婦も、子どもが独立したあとに今と同じ広さの家が必要かはわかりません。

その状態で家を買うことに、どうしても踏み切れませんでした。

以前、一度かなり気に入ったマンションがありました。

駅も近く、間取りもよく、価格も検討できる範囲でした。

夫はかなり乗り気でした。

私も「ここなら買ってもいいかもしれない」と思いました。

でも夜になって考えました。

数年後、子どもが家を出たらどうするのだろう。

夫婦二人になった時、この広さが必要だろうか。

逆に、子どもが自宅から大学へ通うことになったら、その学校への交通は便利だろうか。

考えれば考えるほど、まだ決める時期ではないと思いました。

結局、そのマンションは買いませんでした。

夫も最初は残念そうでしたが、今は「結果的に待ってよかったかもしれない」と言っています。

私たちは家を買いたくないわけではなく、「家族の形がまだ動いている時に固定したくない」と考えています。

今住んでいる賃貸は、子どもの学校へも夫の職場へも通いやすい場所です。

子どもが卒業したら、その時にまた考えます。

夫婦二人なら、もっと小さな家でもいいかもしれません。

郊外へ移る可能性もあります。

マンションを買うかもしれません。

その時になっても賃貸を選ぶかもしれません。

まだ決めていません。

以前は「40代なのに家を買っていなくて大丈夫かな」と焦ることもありました。

周りには持ち家の家庭も多いからです。

でも、他の家庭と自分たちでは事情が違います。

家を買う年齢を周囲に合わせるより、自分たちの生活が固まる時期を待ったほうがいいと今は思っています。

「持ち家に合わせて暮らすより、年齢に合わせて家を小さくしたいです」北海道・53歳・女性

私は50代になってから、ますます賃貸でいいと思うようになりました。

若いころは逆でした。

30代のころは、「いつか家を買わないと」と思っていました。

周囲でも住宅を購入する友人が増えていました。

子どもが小さいころは、広い戸建てにも憧れました。

でも、結局買いませんでした。

夫の転勤が何度かあったからです。

そのまま時間が過ぎ、子どもたちは大きくなりました。

今は二人とも家を出ています。

現在、夫と二人で2LDKの賃貸マンションに住んでいます。

少し前まで3LDKでした。

子どもが独立したあと、一部屋が完全に物置になりました。

掃除する場所は増えます。

家賃も高いままです。

そこで引っ越しました。

荷物もかなり処分しました。

今の家は以前より狭いですが、不便には感じません。

むしろ掃除が楽です。

暖房費も少し減りました。

買い物へ行きやすい場所へ移ったので、車に乗る回数も減りました。

その経験から、私は老後も一つの家に住み続けることにこだわらなくていいと思っています。

60代になったら、さらに小さくてもいいかもしれません。

夫婦のどちらか一人になったら、1LDKでも十分かもしれません。

階段が負担になったら、エレベーターのある物件へ移りたいです。

車を手放したら、駅やスーパーの近くへ住みたいです。

私は「今の家に自分を合わせ続ける」より、「今の自分に合う家へ住み替え続ける」ほうが自然だと思っています。

もちろん、高齢になってから賃貸物件を借りることへの不安はあります。

その点は私も考えています。

だからこそ、何も考えずに賃貸を続けるつもりではありません。

老後の住まいについては夫とも話しています。

それでも「老後が不安だから今すぐ家を買おう」とは思いません。

家を買ったとしても、その家が70代や80代の自分に合っているとは限らないからです。

大きな庭が負担になるかもしれません。

階段が使いにくくなるかもしれません。

近くの店がなくなるかもしれません。

将来を完全に予想するのは難しいです。

私は変化することを前提に住まいを考えたいので、今のところ賃貸を選んでいます。

「家やマンションは持ち家を買いたい」持ち家派の体験談

「子どもに『また引っ越すの?』と言われて家を買いました」埼玉県・38歳・男性

私は結婚してから、何度か賃貸住宅を住み替えてきました。

最初は1LDK。

子どもが生まれて2LDK。

さらに下の子が生まれて3LDKへ引っ越しました。

そのたびに、「今の家族に合う広さへ移れるのは賃貸の良さだな」と思っていました。

だから、しばらくは家を買うつもりもありませんでした。

考えが変わったのは、長男が小学校に入る前です。

当時住んでいた部屋が少し手狭になり、また引っ越しを考え始めました。

ある日、物件情報を見ていた私に長男が、「また引っ越すの?」と聞きました。

私は何気なく「たぶんね」と答えました。

すると長男が、「今のお友達と離れるの?」と言いました。

その言葉が残りました。

これまでの引っ越しは、私たち夫婦にとっては単なる住み替えでした。

でも子どもにとっては、保育園の友達や近所の遊び相手と離れる出来事だったと、その時になって気づきました。

もちろん、持ち家を買ったら絶対に引っ越さないとは限りません。

転勤や家族の事情で住み替える可能性もあります。

それでも私たちは、「そろそろ家族の拠点を決めてもいい時期かもしれない」と考えるようになりました。

そこから戸建てを探し始めました。

一番重視したのは広さより学区です。

長男がそのまま同じ地域の小学校へ通えること。

近所の友達とも離れないこと。

その条件を優先しました。

結果的に、以前住んでいた賃貸からそれほど離れていない場所に家を買いました。

引っ越しの日、長男は新しい家よりも「○○くんの家が近い」と喜んでいました。

それを見て、私たちにとって家を買う意味は、建物を所有することだけではなかったと感じました。

子どもにとって「ここが自分の帰る場所」と思える拠点を作りたかった。それが私が持ち家を選んだ一番大きな理由です。

住宅ローンはあります。

固定資産税もあります。

修繕のことも考えなければなりません。

賃貸時代より気楽ではない部分もあります。

それでも、子どもが近所の友達と遊び、毎日同じ道を学校へ通っている姿を見ると、今の自分たちにはこの選択が合っていたと思います。

「壁に穴を開けるたびに許可を気にする生活が嫌でした」愛知県・35歳・女性

私はインテリアが好きです。

家具を並べ替えるのも好きです。

棚を取り付けたり、照明を変えたりするのも好きです。

ただ、賃貸に住んでいたころは、いつも「ここまでやって大丈夫かな」と気にしていました。

壁に何か取り付けたい。

でも穴を開けるのは心配。

壁紙の色を変えたい。

でも退去する時に元へ戻す必要があります。

キッチンの収納を増やしたい。

でも設備そのものには手を加えられません。

最初は工夫すること自体を楽しんでいました。

穴を開けなくても使える棚を探したり、貼って剥がせる壁紙を使ったりしていました。

ただ、だんだん面倒になってきました。

「どうせ住むなら、自分が好きなように変えられる家がほしい」と思うようになりました。

決定的だったのは、賃貸のキッチンです。

収納が少なく、使いにくいと感じていました。

毎日使う場所なので、少しずつストレスがたまります。

夫に「ここをこう変えられたらいいのに」と何度も話していました。

ある時、夫から「だったら家を買って好きにしたら?」と言われました。

最初は冗談だと思いました。

でも、その言葉から本格的に持ち家を考えるようになりました。

最終的には中古戸建てを購入しました。

新築ではありません。

むしろ少し古い家を買って、自分たちで手を入れていくほうが楽しそうだと思いました。

入居してから、まずキッチンの収納を変えました。

壁に棚も付けました。

リビングの壁紙も一面だけ変えました。

最初にドリルで壁へ穴を開けた時は、少し緊張しました。

賃貸時代の癖で、「これ大丈夫かな」と思ってしまったからです。

その直後に、「自分の家だからいいんだ」と気づいて笑ってしまいました。

私にとって持ち家の一番の魅力は、資産になることより、「暮らしに家を合わせられること」です。

子どもが大きくなれば、また部屋の使い方を変えると思います。

年齢を重ねたら、手すりを付けることもあるかもしれません。

必要になった時、自分たちの判断で家を変えられることに安心感があります。

もちろん、すべて自分たちの負担です。

壊れれば自分で直さなければなりません。

それでも私は、「壊れたら自分で考える」ことより、「変えたいのに変えられない」ことのほうがストレスでした。

「老後に毎月家賃を払う自分を想像できませんでした」福岡県・49歳・男性

私は40代になるまで賃貸でした。

結婚後もずっとマンション暮らしです。

家賃も無理のない金額でしたし、特に困ってはいませんでした。

むしろ若いころは、「家なんて買わなくてもいい」と思っていました。

住宅ローンを30年以上組むことのほうが怖かったからです。

考えが変わったのは、40代半ばです。

老後の生活について考える機会が増えました。

会社の同僚と年金の話をしたり、退職後の生活費についてニュースを見たりするようになりました。

その中で、ふと今の家賃を60代、70代になっても払い続けることを想像しました。

毎月10万円近い家賃です。

働いている今なら払えます。

でも退職したあとも同じように払えるだろうかと思いました。

もちろん、老後になったらもっと安い賃貸へ移る方法もあります。

その考えもありました。

ただ、私は年齢を重ねてから何度も住み替えることに不安を感じました。

今なら引っ越しもそれほど大変ではありません。

でも70代になって荷物を整理し、新しい物件を探し、引っ越すことができるだろうか。

そう考えると、自分は今のうちに住む場所を決めておいたほうが安心だと思いました。

そこで中古マンションを購入しました。

新築は予算的に厳しかったので、無理をしない範囲で探しました。

住宅ローンも、できるだけ退職前に負担を小さくできる計画を考えました。

私は「家賃がもったいないから」ではなく、「収入が減ったあとも住み続けられる場所を今のうちに確保したい」と思って持ち家を選びました。

もちろん、マンションなら管理費や修繕積立金があります。

固定資産税もかかります。

持ち家になれば住居費がゼロになるとは思っていません。

それでも、自分の中では毎月の家賃を払い続ける状態とは感覚が違います。

購入後、少し気持ちが落ち着きました。

「ここに住めばいい」という場所が決まったからです。

一方で、賃貸の友人から「老後こそ身軽な賃貸のほうがいい」と言われることもあります。

それも理解できます。

私は逆に、「老後だからこそ引っ越したくない」と感じるタイプでした。

同じ老後への不安でも、どちらを安心と感じるかで選択は変わると思います。

「上の階の足音を気にする生活を終わらせたくて戸建てを買いました」兵庫県・40歳・女性

私たち夫婦が家を買った理由は、少し消極的です。

最初から「夢のマイホームがほしい」と思っていたわけではありません。

きっかけは音でした。

賃貸マンションに住んでいたころ、上の階から足音がよく聞こえていました。

子どもがいる家庭だったと思います。

夜遅くまで続くわけではありません。

常識外れというほどでもありません。

それでも、毎日聞いていると気になります。

さらに、私たちにも子どもが生まれました。

今度は自分たちが下の階へ音を出す側になりました。

子どもが歩き始めると、家の中を走ります。

おもちゃを落とします。

突然ジャンプすることもあります。

そのたびに、「下の部屋に響いていないかな」と気になりました。

私は上からの音を気にしているのに、自分の家から出す音も気にする。

家にいるのにずっと音のことを考えている状態でした。

床には厚めのマットを敷きました。

子どもにも「走らないで」と何度も言いました。

でも、まだ小さい子に毎回静かに歩いてもらうのは無理があります。

ある日、子どもがリビングを走っているのを見て、夫が「戸建てを探そうか」と言いました。

そこから持ち家を考え始めました。

私たちが選んだのは、小さめの戸建てです。

広い庭もありません。

豪華な家でもありません。

それでも、入居して最初に感じたのは静かさより「気楽さ」でした。

子どもが少し走っても、以前ほど神経質になりません。

もちろん近隣への配慮は必要です。

戸建てならどれだけ音を出してもいいわけではありません。

でも、真下の住戸を毎日気にする生活からは離れられました。

私たちにとって家を買うことは、広い家を手に入れることより、家の中で必要以上に音を気にせず暮らすための選択でした。

住宅ローンの返済を見ると「賃貸のほうが楽だったかな」と思う月もあります。

それでも、子どもが家の中で遊んでいる姿を見ていると、今の生活には戸建てが合っていたと思います。

「住宅ローンは怖かったけれど、家賃が上がったことのほうが怖くなりました」京都府・44歳・男性

私は長い間、持ち家に消極的でした。

理由は住宅ローンです。

何千万円という借金をして家を買うことに、どうしても抵抗がありました。

30年や35年という返済期間を聞くだけでも重く感じました。

だから妻から家を買う話をされても、「賃貸でいい」と答えていました。

ところが40代になったころ、住んでいた賃貸マンションの家賃が上がりました。

大幅ではありません。

月数千円です。

それでも私は気になりました。

その頃、近所で同じくらいの広さの物件を探しても、以前より家賃が高いところが増えていました。

「嫌なら引っ越せばいい」と思っていましたが、引っ越した先も高い。

そこで初めて、賃貸にも自分では決められない部分があると強く感じました。

家賃は自分だけでは固定できません。

周辺の相場が上がれば、次に借りる家も高くなる可能性があります。

もちろん住宅ローンにも金利の問題があります。

固定資産税や修繕費もあります。

どちらにも不確定な部分があります。

それでも私は、「住宅ローンだけが怖いわけではない」と考えるようになりました。

妻と何度も話し合い、中古マンションを買いました。

購入前にはかなり慎重に返済額を考えました。

銀行から借りられる上限まで借りることはしませんでした。

毎月これくらいなら払える、という金額から逆算しました。

私の場合、住宅ローンへの恐怖がなくなったから買ったのではなく、賃貸にも別の不安があるとわかって比較できるようになったことで購入へ進めました。

今でもローン残高を見ると大きいなと思います。

ただ、「借金だから怖い」とだけ考えていたころとは感覚が違います。

その家で生活している限り、住居費として払っているという意識です。

家を買って安心した部分もあれば、責任が増えた部分もあります。

それでも、私には今のほうが住居費の見通しを立てやすく感じています。

「犬を飼いたくて、家探しそのものを変えました」栃木県・33歳・女性

私が家を買った理由は、かなり単純です。

犬を飼いたかったからです。

もちろん賃貸でもペット可の物件はあります。

以前もペット可のマンションを探したことがあります。

ただ、私が住みたい地域では選択肢がかなり少なくなりました。

気に入った部屋を見つけても、「小型犬1匹まで」という条件があります。

家賃も普通の物件より高めでした。

私は将来的に中型犬を飼いたいと思っていました。

できれば庭も少し欲しかったです。

その条件で賃貸を探していくと、なかなか見つかりませんでした。

ある時、不動産会社の人から「それなら購入も考えてみますか」と言われました。

最初はそこまで考えていませんでした。

家を買う理由として犬というのは軽すぎる気もしました。

でも、自分がこれからどんな生活をしたいのかを考えると、犬との暮らしはかなり大きな部分を占めていました。

そこで中古戸建ても含めて探し始めました。

最終的に、小さな庭のある家を買いました。

その後、犬を迎えました。

朝、庭へ出る。

休日に近所を散歩する。

玄関近くに犬用品を置ける収納を作る。

床も滑りにくいものへ一部変えました。

賃貸時代に想像していた生活が、少しずつ形になりました。

私にとって持ち家は「家そのものが欲しかった」というより、「やりたい暮らしを制限されにくい場所が欲しかった」という感覚です。

家を買う理由としては珍しいのかもしれません。

でも、毎日の暮らしで何を大切にするかは人によって違います。

私は広いリビングや新しい設備より、犬と暮らせる自由を優先しました。

そのために持ち家を選んだことには満足しています。

賃貸派と持ち家派では、住まいに求めている安心が違う

ここまでの体験談を見ると、賃貸派と持ち家派では「安心」と感じるポイントがかなり違っていました。

賃貸派は、生活が変わった時に動けることを安心と感じています。

転職したら引っ越せる。

近所の環境が合わなければ離れられる。

家族の人数が変わったら、広さを変えられる。

年齢を重ねたら、もっと小さな家へ移ることもできます。

「今の家にずっと住み続けなくていい」という自由が、賃貸派にとって大きな安心になっていました。

一方で持ち家派は、「ここに住み続けられる」ということに安心を感じています。

子どもの生活拠点を固定したい。

老後になってから何度も引っ越したくない。

自分の家を好きなように変えたい。

犬と暮らしたい。

家族が気兼ねなく過ごせる場所を作りたい。

持ち家を選んだ人たちは、家そのものを所有したいというより、「自分たちの暮らしを簡単には変えなくていい場所」を持ちたいと考えている人が目立ちました。

どちらも安心を求めています。

ただ、その安心の形が違います。

今回の賃貸派の中には、「家は絶対に買わない」と決めている人ばかりではありませんでした。

今は仕事が変わる可能性があるから賃貸。

子どもの進学先が決まるまでは賃貸。

家族の人数が落ち着くまでは賃貸。

そんな考え方もあります。

今の自分には賃貸が合っているけれど、10年後には家を買うかもしれない。

反対に、このまま賃貸を続けるかもしれない。

まだ決めないという選択です。

「賃貸を選ぶこと」と「一生賃貸で暮らすこと」は、必ずしも同じではありません。

生活がまだ大きく変わる時期だからこそ、あえて結論を出さない人もいます。

持ち家を購入した人たちも、「家を買えばすべて安心」と考えているわけではありませんでした。

住宅ローンがあります。

固定資産税もかかります。

戸建てなら外壁や屋根、設備などの修繕も必要になります。

マンションなら管理費や修繕積立金があります。

家族構成が変われば、買った家が将来の暮らしに合わなくなる可能性もあります。

それでも持ち家を選んだ人は、そうした負担も含めて、自分の暮らしに合うと判断していました。

壁に棚を付けたい。

子どもを同じ地域で育てたい。

老後まで暮らせる場所を決めておきたい。

ペットとの暮らしを優先したい。

持ち家派にとっては、負担がなくなることより、自分たちで住まいを決められることのほうが大切な場合があります。

家やマンションは賃貸?持ち家を買う?あなたならどちらを選びますか

賃貸には、生活に合わせて住み替えやすいという考え方があります。

仕事が変われば引っ越す。

家族が増えれば広い部屋へ移る。

子どもが独立したら小さな家へ移る。

近所の環境が合わなければ別の場所を探す。

一つの家に縛られないことを心地よいと感じる人がいます。

一方で持ち家には、自分たちの生活の拠点を作れるという考え方があります。

子どもが同じ地域で育つ。

好きなように家を変える。

老後まで住む場所を決める。

ペットと暮らしやすい環境を作る。

簡単には変わらない場所を持つことを安心と感じる人もいます。

今回の体験談でも、選ぶ理由は一人ひとり違っていました。

「家賃がもったいないから持ち家」だけでもありません。

「住宅ローンが怖いから賃貸」だけでもありません。

住まいの選択には、その人が何を自由と感じ、何を安心と感じるのかが表れます。

今すぐ動けることを大切にする人。

同じ場所に住み続けられることを大切にする人。

家の管理を任せたい人。

自分で好きなように変えたい人。

子どもの成長を優先する人。

老後の暮らしから考える人。

どの考え方も、その人の生活から出てきたものです。

今は賃貸が合っていても、数年後には持ち家が欲しくなるかもしれません。

今は持ち家が欲しくても、生活が変われば賃貸の身軽さに魅力を感じるかもしれません。

一度決めた考えを、ずっと変えない必要もありません。

「一般的にはどちらが得か」だけではなく、「今の自分は、どんな暮らし方をしたいのか」から考えてみることも一つの方法です。

家やマンションは賃貸にするか。

それとも、持ち家を買うか。

あなたなら、どちらを選びますか。

家やマンションは賃貸?持ち家?よくある質問(FAQ)

賃貸と持ち家は、どちらが得ですか?

一概にどちらが得とはいえません。

賃貸は住み替えやすさがあり、持ち家は自分の暮らしに合わせて住まいを作りやすいという違いがあります。

金額だけでなく、仕事や家族構成、将来どんな暮らしをしたいかまで含めて考えることが大切です。

賃貸に住み続ける一番のメリットは何ですか?

生活の変化に合わせて住み替えやすいことです。

転職や子どもの進学、家族構成の変化などに合わせて、場所や広さを変えられます。

近所の環境が合わない場合に、引っ越しを検討しやすい点を重視する人もいます。

持ち家を買う一番のメリットは何ですか?

自分たちの生活拠点を作りやすいことです。

壁や設備を変えたり、ペットとの暮らしに合わせたりと、住まいを自分好みにしやすくなります。

同じ地域で長く暮らしたい人にとっては、「ここに住み続けられる」という安心感も大きな理由になります。

子どもがいる家庭は持ち家のほうが向いていますか?

必ずしもそうとは限りません。

学区や友人関係を重視して持ち家を選ぶ家庭もあれば、進学先が決まるまでは賃貸で柔軟に動きたいと考える家庭もあります。

子どもの年齢や将来の進学予定によって考え方は変わります。

老後は賃貸と持ち家のどちらが安心ですか?

安心と感じるポイントによって違います。

老後も家賃を払い続けることに不安を感じて持ち家を選ぶ人もいれば、年齢や体力に合わせて住み替えたいと考えて賃貸を選ぶ人もいます。

「同じ家に住み続けたいか」「暮らしに合わせて住み替えたいか」でも判断は変わります。

住宅ローンが怖い場合は賃貸のままでも大丈夫ですか?

住宅ローンに不安があるから賃貸を選ぶ人もいます。

一方で、家賃の変化や老後の住居費を考えて持ち家を選ぶ人もいます。

住宅ローンだけを見て決めるのではなく、毎月の住居費や将来の生活まで含めて考えるとよいでしょう。

今は賃貸でも、後から持ち家を買ってもいいですか?

もちろんです。

今は転職や進学などで生活が変わりやすいため賃貸を選び、家族の状況が落ち着いてから購入を考える人もいます。

賃貸か持ち家かを、一生変えない前提で決める必要はありません。

賃貸と持ち家、迷った時は何を基準に考えればいいですか?

「どちらが得か」だけでなく、「どんな暮らしをしたいか」から考える方法があります。

身軽に住み替えたいのか、同じ場所で長く暮らしたいのか、家を自由に変えたいのかなどを整理すると、自分に合う選択が見えやすくなります。

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