食品ロスとフードロス | 野菜売り場の野菜が美しい影に規格外野菜

日本の食糧自給率は約40パーセントです。

自国では食糧をまかなうことが出来ません。

食糧の輸入額から輸出額を差し引いた額は世界最大で、世界で最も食糧を輸入に頼っている国ということになります。

他の国で生産された食料の輸入によって食事ができているというのが日本の現状です。

一方で、食糧消費額の30パーセントの2,800万トンが廃棄されています。

さらに、まだ食べられる状態で捨てられてしまっている食品は約632万トンです。

これまでも食べられる食品の廃棄についてはたびたび報道でも取り上げられていましたが、その多くはコンビニのお弁当やレストランでの食べ残しなどの企業のシステム上のものとされていましたが、実は家庭からの食品ロスも約半数の300万トンを占めています。

食糧を捨てる人がいる一方でゴミから食べ物を探す人がいる現実です。

食べ物があふれている今の日本において、家庭でのちょっとした食品の無駄遣いが日常化しているのが現実です。

食べ物が足りている国もあれば、足りない国もあります。

食べられる分だけ買うことの大切さ

外食する際に食べ残してしまうことはありますか?

食堂やレストランで普通に食事をする際には、食べ残す方の割合は多くはありませんが、言っての割合で残してしまう方は存在します。

中には、食べ残してしまうほど注文したり、料理の写真を撮影して全部食べ切らなかったりという方もいます。

では、居酒屋などでのお酒の席での食事はどうでしょうか。

注文したすべての料理を食べ切っていますか?

レストランでの食事と比較して食べ物を残してしまうという方の割合はグッと多くなりますよね。

大人数だと食べる量を把握するのが難しいため、つい注文し過ぎてしまうケースも少なくありません。

お酒の席のほかにも、冠婚葬祭の食事、食べ放題バイキングでの料理の盛りすぎ、さらにはスーパーやコンビニでの期限切れ食品の廃棄など、食べ物が無駄になっている場面は多いです。

全国にコンビニは5万件ありますが、一日2食の弁当を廃棄したとしたら一日で10万件の廃棄になります。

政府が調査した日本の年間の食品廃棄量は1900万トンとされていますが、民間の調査では3000万トンにせまる数値も出ているほど、世界の中でも日本は食品廃棄が多い国です。

世界規模で見ると年間の食品廃棄量は13億トンで、この量の半分だけで食べることが出来ずに飢餓に苦しんでいる人たちの食事をまかなうことが出来ます。

この食糧事情を解決するために各国で食品サイクルの見直しや解決策を模索するシステム作りが行われています。

野菜売り場の野菜が美しい理由

スーパーマーケットや八百屋さんには多くの野菜が並んでいます。

野菜売り場に行くと、多彩な色鮮やかな野菜たちがキレイに陳列されています。

トマトの赤、イチゴの赤、ニンジンの赤。

きゅうりの緑、レタスの緑、ほうれん草の緑。

ミカンのオレンジ、レモンの黄色、ぶどうの紫。

思いのほか美しいなと思う瞬間も度々あります。

店頭に並ぶ野菜や果物が同じようなサイズ、同じような色であるのには理由があります。

実は生産された農産物のすべてが店頭に並ぶわけではありません。

野菜には「大きさや形」「品質」「色味」「重量」といった規格があります。

おもに品質はA等級、B等級、C等級と分類し、サイズはS・M・Lと分類することで、市場取引がスムーズに行われ、スピード感ある流通を支えています。

とれたての野菜をすぐに購入できるようにする工夫です。

こうした規格があるため、収穫した野菜の中には規格外のものが生まれます。

C等級未満の野菜はスーパーなどにはほとんど並びません。

規格による選別が行われることで同じサイズ、同じ品質の野菜が野菜売り場に並べられるのです。

規格外でも味が変わらないものもあります。

ただ、消費者は店頭に並んだ野菜を手に取る際に、形や色の良さそうなものを選びます。
野菜を仕入れる販売者の立場からしても、売れる野菜を仕入れたい、荒れ残る野菜は仕入れたくないというのが市場原理です。

こうして美しい野菜だけが店頭に並んでいるのです。

海外から来た外国人が日本の野菜は美しい!と驚くといいます。

では、売り場に並ばない規格外の野菜たちはどうなっているのでしょうか。

規格外野菜による野菜廃棄は年間200万トンを超える

スーパーの野菜売り場の美しい野菜たちは規格によって選別されたものたちでした。

では、規格外の野菜たちはどうなっているのでしょう。

まず、どれくらいの率で規格外の野菜が発生しているのか。

その割合は、全体の生産量の30%から40%です。

想像以上に多いですよね。

ただ、6割から7割は規格に合わせて美しく整った野菜を生産できているということなので農家の方たちの技術力が高いとも言えます。

また、形によって選別されて規格からはずれたものの味は変わらないのに店頭には並ばない野菜も大量にあることになります。

そうした規格外の野菜は直売所で販売されたり、加工食品として使用されたりしていますが、そのほとんどが廃棄されています。

廃棄されている野菜の量は年間200万トン以上になります。

地球規模の視点から見ると、9億人以上の人が飢餓に苦しんでいて、世界の7人に1人が今日の食べ物が足りない状況です。

先進国のフードロスについて語られる機会も増えています。

買い過ぎない、食べ残しをしないなど、家庭でできることもありますが、今回の野菜の廃棄の問題については、流通の仕組みから工夫をしていく必要がありますし、廃棄野菜を有効利用する手段についても考えていく必要があります。

最近は、廃棄野菜を使用した加工品が増えてきたり、廃棄野菜をネットで購入できるサイトも出てきています。

スーパーで美しい新鮮な野菜が変えることはすばらしいことです。

その一方で、本来廃棄されてしまう野菜をより安価で購入できる仕組みも選択できるようにしていくことも求められています。

食品廃棄禁止法があるフランス

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フランスでは年間710万トンの食品が廃棄されていますが、2016年2月に食品廃棄禁止法が施行されました。

400平方メートル以上の規模のスーパーマーケットでは賞味期限切れ食品を廃棄することは禁止になっています。

賞味期限切れとなった食品はボランティア団体に寄付したり、家畜の飼料にするなどして再利用することが求められます。

違反すると、約8万4000ドル(日本円で約970万円)の罰金または最大2年の禁固刑となります。

この法律は食品廃棄の問題だけでなく、食べられる食品を再分配することによって、貧困問題の解決も目指しています。

フランスの大手スーパーマーケットのカルフールは「闇市」キャンペーンで話題となりました。

EU内では市場に出すことのできる農作物に厳しい制限がつけられていました。

農薬の影響が低く大量生産が可能な野菜のみが許可されていました。

その品種は3%ほどで、残りの97%は市場に出すことは許されていませんでした。

農薬を使用しない無農薬栽培やオーガニック野菜の多くは違法とされていたのです。

農薬使用の大量生産の野菜や果物だけで売り場が占められ、美味しく健康的なオーガニック野菜が占めだされるのはおかしいということで、カルフールがスタートしたのが「闇市」キャンペーンです。

カルフールのメッセージは、自然のものがすべて同じ形、規格内に育つ方がおかしい。いびつなのは野菜ではなく法律の方だというものです。

「闇市」キャンペーンでは、生産者と契約して栽培された違法な種の野菜や果物をカルフールの「闇市」の売り場で販売されました。

このキャンペーンにより、欧州議会で「オーガニック農業改正案」が可決して、合法となる種の見直しが行われました。

イギリスと同様にフランスも環境問題に積極的に取り組む企業支持される文化があり、カルフールの好感度も上がりました。

食品廃棄の問題に向き合うイギリスの取り組み

イギリスでも廃棄食品については問題になっています。

スーパーで消費者に好んで購入されるのは形の良い野菜です。

Ugly VegetablesやUgly Foodと呼ばれてあまり好まれていません。

ただ、20%から40%の食品が廃棄されるという状況から、少しずつ廃棄食品を減らそうという動きも拡大しています。

イギリス全国に展開する大手スーパーのチェーンのセインズベリーズでは、規格外の野菜が安価で売られている店舗もあります。

量り売りのシステムで見栄えやサイズが不揃いの野菜が売られています。

他にも食品ロスを減らす取り組みが増えつつあります。

イースト・オブ・イングランド・コープ(東イングランド生活協同組合)では、年間2万トン以上の食品が廃棄処分されており、この問題に取り組みために、賞味期限切れの食品を10ペンス(日本円で約15円)で試験的に販売しました。

消費期限切れの商品は対象にせず、問題なく食べることができる賞味期限切れの商品のみを対象にしていて、すぐに売り切れてしまいました。

ロンドンのレストランでも積極的に対応する店舗があります。

「Silo」は廃棄物を出さないレストランとしてオープンしました。

地元の農家と直接取り引きしたり、余った食材や食べ残しを堆肥に変えるコンポストの機械を導入しゴミ箱をなくしています。

ミシュランの星を獲得したネイティブ・レストランでは食品廃棄物から調理したコース料理を低価格で提供しています。

2018年には、カンブリアで披露宴のご馳走がすべて食品廃棄物という食品廃棄物ウェディングも行われ話題となりました。

イギリスでは環境問題の関心も高く、それらに積極的に取り組む企業が消費者からも支持されるという文化が確立しているため、食品廃棄に対する活動も広がりを見せています。

出荷できない廃棄野菜を利用する

世界の人口は70億人を超え、2050年には90億人を超えると言われています。

人口が増加するにつれて、いくつかの問題が挙がってきます。

まずは資源の問題。

石油や石炭などの資源は有限です。

人口増加のペース以上に資源が使われている現状では資源不足になる可能性があります。
水も一つの資源です。

安全でキレイな水の必要量も増えるため、インフラの整備も求められます。

さらには食糧問題。

食糧については、飢餓に苦しむ国がある一方で先進国では食品ロスで大量の食糧が廃棄されるという不均衡な状態になっています。

日本でも年間600万トン以上の食品が廃棄されています。

この数字は、飢餓問題のための世界中の食品援助の量300万トンの約2倍です。

飲食店や食品メーカーの食品廃棄が半数、各家庭での廃棄が半数となっています。

企業の取り組みに加えて、各家庭での意識改革も重要です。

さらに、廃棄野菜の問題も無視できません。

実は、農家の方が育てた野菜のすべてが出荷されるわけではありません。

食品販売ルートで野菜を販売するには、形や大きさや色などの規格が定められていて、規格に適合していない野菜は出荷することが出来ません。

このような規格外で廃棄される野菜の量はキチンと把握されておらず、生産量の5%から10%、種類によっては4割に達するとも言われています。

規格外野菜など食品ロスへの取り組みは日本でも広がるか

深刻な飢餓に苦しむ人の数は世界で約7億人です。

長期にわたって食糧が不足して、栄養不足で生きるか死ぬかの毎日をおくっています。

その一方で先進国では食糧が飽和状態です。

大量の食べ物が日々、廃棄されています。

食とは本来、生きるために食べるということ。

食べなければ生きていくためのエネルギー、栄養を得られない。

食べなければ死んでしまう。

だから食べる。

その瀬戸際にいる7億人がいる中、別の地域では食べ物が選び放題でおいしい食事をこぞって求めている。

美食家、レストランにつけられる星、グルメ番組、食べ歩き。

絵本に出て来る昔話の「冠をかぶった王様」は、おいしそうな肉を食べていました。

一方で召使はまずしい食事。それでも食べ物さえあれば生きていける。それさえ手に入らない方々もいる。

今の地球を一つの王国に例えたら、「冠をかぶった王様」は誰になるだろう。

一人でないはず。限られた地域に何億といる気がします。

絵本の王様をうらやましいと思いながらも、そのいびつな関係をなんとかならないものかと感じていた方も多いでしょう。

日本では美しい野菜だけがスーパーに並び、厳格な食品管理と飽食文化のもとで、年間2,550万トンの食糧が廃棄されます。

そのうち、食べられるのに廃棄される食品が年間約600万トン。

世界中から飢餓の危機にある方々への年間支援約400万トンをはるかに超える量です。

地球規模での飢餓問題を解決する道筋が模索される中、イギリスやフランスでは食品廃棄への取り組みが本格化しています。

日本でも少しずつですが食品ロスを減らす取り組みが始まっています。
深刻な飢餓に苦しむ人の数は世界で約7億人です。

長期にわたって食糧が不足して、栄養不足で生きるか死ぬかの毎日をおくっています。

その一方で先進国では食糧が飽和状態です。

大量の食べ物が日々、廃棄されています。

食とは本来、生きるために食べるということ。

食べなければ生きていくためのエネルギー、栄養を得られない。

食べなければ死んでしまう。

だから食べる。

その瀬戸際にいる7億人がいる中、別の地域では食べ物が選び放題でおいしい食事をこぞって求めている。

美食家、レストランにつけられる星、グルメ番組、食べ歩き。

 

絵本に出て来る昔話の「冠をかぶった王様」は、おいしそうな肉を食べていました。

一方で召使はまずしい食事。それでも食べ物さえあれば生きていける。それさえ手に入らない方々もいる。

今の地球を一つの王国に例えたら、「冠をかぶった王様」は誰になるだろう。

一人でないはず。限られた地域に何億といる気がします。

絵本の王様をうらやましいと思いながらも、そのいびつな関係をなんとかならないものかと感じていた方も多いでしょう。

 

日本では美しい野菜だけがスーパーに並び、厳格な食品管理と飽食文化のもとで、年間2,550万トンの食糧が廃棄されます。

そのうち、食べられるのに廃棄される食品が年間約600万トン。

世界中から飢餓の危機にある方々への年間支援約400万トンをはるかに超える量です。

地球規模での飢餓問題を解決する道筋が模索される中、イギリスやフランスでは食品廃棄への取り組みが本格化しています。

日本でも少しずつですが食品ロスを減らす取り組みが始まっています。

食べ物を分け合うフードドライブ

日本での食料廃棄物は17,880,000トンもあります。その一方で安全で十分な栄養のある食べ物を食べられていない方は6人に1人となっています。安全で栄養のある食べ物を食べられることをフードセキュリティというのですが、その点が十分でない方が意外と多いのです。

フードドライブという活動があります。家庭であまってしまった食べ物をみんなで持ち寄り、地域の福祉団体や施設などに寄付する活動です。学校や職場で行っているケースもありますし、お祭りやイベントの場などで集めているケースもあります。

集まった食べ物は、高齢者、DV被害で一時避難している方、求職中の方、難民の方など、お金に不自由しているなど、何らかの理由で食事をとれていない方々へ送られます。日本では、セカンドハーベストジャパンが推進している活動です。

企業が社員を対象に行ったフードドライブの例としてはAmazon Japanやバンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社やニールセン株式会社、日本オラクルなどがあり、モスバーガーの本社受付でも告知されているようです。東京都文京区などの自治体単位でもフードトライブに取り組んでいる事例が増えてきています。

セカンドハーベストジャパンでは、そのほかにも、まだ食べられるのに処分されてしまう食品を食べ物に困っている施設や人に届けるフードバンクという活動も行っています。こちらは食品メーカーや飲食業や小売店と協力して集めた食品を困っている人に届けるという活動です。

セカンドハーベストジャパン
http://2hj.org/
すべての人に食べ物を届けることを目指しています。

冷凍保存で食品ロスを減らす

日本では年間600万トン以上の食品が食べられるのに廃棄されています。

農作物が生産される段階で規格外ということで廃棄されるものもありますし、飲食店の食べ残しや、食品工場での過剰生産や販売の際の売れ残りや消費期限切れなどの理由で廃棄されるものも多くあります。

もちろん、家庭から出る食品ロスも少なくありません。

食品ロスを何とかするために出来ることとして、一番身近な取り組みは家での食品ロスを減らすように心がけることが挙げられます。

考えられる対策としては「一食分の料理を作りすぎない」「食べ残さない」などがありますが、消費期限切れを防ぐことも大切です。

ただ、消費期限内に使い切りたいと思っていても、安売りなどで多く買い過ぎてしまったり、そうでなくても食費を抑えるためにまとめ買いをしている家庭も多くあります。

そういった際のテクニックとして冷凍保存があります。

最近は、店から購入してきた食品を冷凍して保存して、冷凍したまま調理を行うダイレクトフリージングなども推奨されています。

冷凍して低温に保つことで食品内の菌の活動を抑えることができますし、腐敗や品質の劣化を防止することができます。

手軽にできる野菜のダイレクトフリージングの手順を紹介します。

買ってきた野菜を洗って水を切り、調理しやすい大きさに切り分けます。

次に冷凍保存袋に先ほどの野菜を重ならないように平らに入れて、空気を抜いて冷凍します。この状態で1か月程度は保存が可能になります。

使う際には冷凍のまま調理することができます。

とくにカレーなどの煮込み料理ではそのまま鍋に投入して調理ができるのでカンタンです。

大根やニンジンなどは冷凍に向いていますが、トマトやキュウリなどの水分の多い野菜は調理時に形が崩れてしまいがちになるので注意が必要です。

あらかじめどのような料理に使用するかを想定しながら冷凍保存することがポイントになります。

干し野菜で食品ロスを減らす

野菜は痛むのが速いため、捨てることになって食品ロスを増やす要因になっています。

廃棄を減らすためには、生野菜を干し野菜にして保存することも選択肢の一つです。

干し野菜であれば、長期間保存できます。

また、栄養も格段に多くなることも知られています。

天日で干すと酵素が活性化されて旨味成分も作られますし、水分がなくなるため、野菜本来のおいしさを味わうことができます。乾燥しているので味も染み込みやすくなります。
干し野菜にはじめてチャレンジする場合、水分の少ない野菜から挑戦するとよいです。

たとえば、きのこ、にんじん、大根あたりがオススメです。

まず、野菜をきれいに洗います。

次に皮ごと野菜を切っていくのですが、乾燥しやすいように表面積が大きくなるように切るのがポイントです。

ピーラーで薄く切ったり、細く千切りにすると乾燥も早くなります。

もちろん水気はしっかりきっておきます。

続いて干していきます。

ざるなどを使用してもOKですが、干し野菜専用の干しかごがあると便利です。

網で囲まれていて虫から守ることができますし、風通し良く干すことができます。

日中は風通しの良い日光に当たる場所に置いて乾燥させて、日没後は室内に取り込みます。

半生タイプの野菜であれば、半日程度で完成となりますが、保存用にカラカラにする場合には3日から5日程度、乾燥させることが必要です。

長期保存する場合は、瓶や密閉容器に乾燥剤と一緒に入れておきます。

完全に乾ききっている物であれば3か月から6か月は常温で保存できます。

余った野菜を軽く刻んで干し野菜にすることで廃棄量を減らすことができますし、食生活も豊かになります。

フリーズドライ技術で食品ロスの改善へ

私たちが食する生野菜や食肉などは長期の保存ができません。

たとえば,スーパーで購入した野菜は冷蔵庫などで保存します。

一定期間内に調理して食べれば問題ないのですが,放置してまま時間が経つと野菜は劣化して,さらに時が進むと腐って食べられなくなります。

その結果,廃棄することになり食品ロスにつながります。

生の新鮮なものはそのままでは腐ってしまう。この保存の問題を解決することで食品ロスも削減していくことができます。

フリーズドライは食品を冷凍してから真空状態で水分を昇華させて乾燥させる凍結乾燥
という方法です。

フリーズドライの工程の最初は調理です。

適度な大きさに切った後,茹でる,蒸す,といった調理を行います。

次に冷凍室で完全に凍らせてから,真空凍結乾燥機に入れます。

空気を抜いて真空にしたまま乾燥させることで,氷が昇華してなくなり,乾燥した食材だけが残るというしくみです。

フリーズドライすることで水分量を大幅に減らせるため長期の保存が可能になります。

技術の進歩により,生の状態と比較しても栄養分の減少も低く抑えられています。

フリーズドライのほかにエアードライという乾燥方法もあります。

エアードライは熱風を当てることで水分を蒸発させます。

キャベツなどの葉野菜はエアードライのほうがシャキシャキ感を保てる傾向があるようです。

たとえば生産後の選別の段階で市場に出回らず廃棄されていた野菜を加工して,フリーズドライなどの技術を用いることで長期保存可能な食品として流通させることができるようになり,食品ロスも軽減できます。

アマノフーズの「チキンカツの玉子とじ」といった今までの技術では考えられないようなフリーズドライ食品も出てきています。

さらなる技術革新も期待されます。

フードロスを減らすためにできること

日本の食料自給率は4割を切っています。

単純計算で食卓の半分以上が外国からの輸入に頼っていることになります。

今から50年前までは日本の自給率は7割を超えていました。

そのころから急激に和食から洋食へと嗜好が変化します。

貿易の際の輸送手段も近代化し、世界各国の農産物が輸入されるようになり、安い外国産を求める消費者も増えました。

かつては日本各地でも、庭で飼育する鶏の卵を食べ、菜種で油を作っていました。

農家も多く、自分達が食べるものは自分たちで作る自給自足に近い生活ができていました。

近年は、世界規模での流通網の発展と食品ビジネスの効率化が進んでいます。

先進国では大量の食品が廃棄され、一方では飢餓に苦しむ人たちがいる。

圧倒的に食べ物の供給のバランスが崩れてしまっています。

毎年作られる食糧の1/3が廃棄されています。

食料を生産するには農地が必要ですし、大量の農業用水も必要です。

食品の加工過程では二酸化炭素も排出されます。

食べ物を廃棄するという事はこれらの土地や水も無駄にすることになり、環境にも良くないことがわかります。

フードロスを減らすためにできること。

実は家庭で出来ることも多いです。

買い過ぎない。消費期限をチェックする。

そして、食べ残しをしない。

家の食事も外食の際の食事も食べ残さない。

それだけでもフードロスは減らすことが出来ます。

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