無視できない砂漠化の進行をストップする
砂漠というと何を思い浮かべますか。
辺り一面の砂。ラクダ。暑くて乾燥しているなどですよね。
あたり一面の砂漠というと植物や生物にとっては過酷な環境というイメージがあります。
砂漠の定義を調べると、「雨が少ない」「乾燥している」「生物の生存しづらい」地域を砂漠と言うそうです。
世界最大の砂漠というとアフリカのサハラ砂漠を思い浮かべますが、この定義を当てはめると南極大陸も砂漠になってしまいます。
ただ、一般的なイメージの砂漠という事で考えると、やはりサハラ砂漠が世界一でしょう。
ほかにも、中国のタクラマカン砂漠、オーストラリアのグレートサンディ砂漠などもあります。
環境面では、地球の砂漠化が問題視されています。
年々、緑地だった土地の砂漠化が進んでいます。
地球全体で見た場合、砂漠はドンドン増え続けています。
たとえば、サハラ砂漠では毎年150万ヘクタールのスピードで砂漠化が進んでいます。
そのスピードも速く、1秒で1900平方メートルの速度で砂漠は増えています。
年間でいうと東京ドームおよそ128万個分です。
砂漠が増えるということは、その分、緑地が減るということです。
緑地には植物が生育し、光合成によって地球上の二酸化炭素を吸収してくれています。
つまり、砂漠化を食い止めて二酸化炭素を吸収してくれる緑地を増やすということは、地球温暖化の対策にもなっていくわけです。
世界的な気候変動によって、降雨量が減少して乾燥する地域になると砂漠がすすんでしまいます。
砂漠化の原因は大きく「気候的要因」と「人的要因」の二つがあります。
ただ、砂漠化のスピードを速めているのは人的要因によるものが大きいと考えられます。
大規模な森林伐採によって緑地は減少します。
また、放牧により家畜が草を食べつくすことも砂漠化につながります。
人類の意思でコントロールできるのは人為的要因による砂漠化です。
砂漠化は、森林の伐採、過度な放牧や開拓により引き起こされます。
乾燥地では降水量が少なく、農業のために用水路を作って川や湖から水を引いてくるのですが、その水の中の塩分が蓄積し塩類集積という状態になると、植物が育たなくなってしまいます。
乾燥地帯に住む人々は貧困率が高く、食糧確保のために過度な農業や放牧を行った結果、砂漠が進行するというケースも多いです。
砂漠化を食い止めるためには、まず現地の環境を理解し、その特性に応じた対策を講じることが重要です。
具体的には、植林活動を通じて土壌の保護と水分の保持を図ることが有効です。
適切な種類の樹木を選び、定期的な灌漑と管理を行うことで、緑化を促進し土壌の流出を防ぐことができます。
また、農業の持続可能な方法を導入し、土地の過剰利用を避けることも必要です。
例えば、作物の輪作や休耕地を設けることで、土壌の肥沃度を保ち、過度な耕作による土壌劣化を防ぎます。
さらに、現地コミュニティの教育と啓発活動を通じて、砂漠化対策の重要性を共有し、地域全体での取り組みを推進することが欠かせません。
これにより、持続可能な土地利用と環境保護が達成され、長期的な視点で砂漠化を防ぐ基盤が築かれます。
国連でも砂漠化を食い止めるために、砂漠化対処条約(United Nations Convention to Combat Desertification、略称:UNCCD)が採択されました。
1996年には砂漠化対処条約が発行されて日本も参加しています。
この条約の主な目的は、砂漠化の防止と干ばつの影響を軽減し、持続可能な土地管理を推進することで影響を受けやすい地域の住民の生活を改善することです。
そのために、各締約国は自国の状況に応じた砂漠化対策の国家行動計画を策定し、持続可能な土地管理のための政策やプログラムを開発し実施します。
また、砂漠化対策に関する技術や知識を各国間で共有し、効果的な対策を導入するための支援を行います。
特に途上国や砂漠化の影響を強く受けている国々に対しては、資金援助や技術支援を提供し、持続可能な土地管理の取り組みを強化します。
さらに、持続可能な農業と土地管理の推進も重要であり、農業技術の改善や水資源の効率的な利用を通じて砂漠化の進行を食い止める努力が続けられています。
加えて、現地コミュニティの参加を促し、その能力を強化することで、住民が主体的に砂漠化対策に取り組むことを可能にし、持続可能な対策の実現を目指します。
UNCCDは、世界中の国々が協力して砂漠化に立ち向かい、持続可能な発展と環境保護を両立させるための枠組みを提供する重要な役割を果たしています。