グリーンカーボンとブルーカーボン

人間はその活動において、二酸化炭素を排出します。

呼吸することで二酸化炭素をはきだしますし,火を燃やすことで二酸化炭素を発生させます。

さらに,人が発明した工業製品には二酸化炭素を排出させるものが多いです。

もしも、この地球に人間だけしか住んでいなかったとしたら、地球はすぐに二酸化炭素だらけになってしまうかもしれません。

実際は、植物など、二酸化炭素を吸収して酸素を作り出してくれる他の種との共存により、バランスがとられています。

植物は光合成により、日光と水と二酸化炭素を吸収して、酸素とデンプンなどの有機物を作り出します。

光合成により、植物や土の中に蓄積された炭素のことをグリーンカーボンといいます。

人などが排出した二酸化炭素が吸収されて、光合成により作られた有機物の炭素が地中に貯めこまれていく仕組みです。

陸上の植物が大気中の二酸化炭素を吸収して蓄積するように、海中でも同様の営みがなされています。

海藻やアマモなどの藻、さらに植物プランクトンが光合成が行うことで吸収された炭素の事をブルーカーボンといいます。

汽水域などの塩性湿地や藻が多く繁殖する藻場、マングローブ林さらにはサンゴ礁などをまとめてブルーカーボン生態系といいます。

地球上の生物が二酸化炭素を排出する一方で、グリーンカーボンとブルーカーボンが二酸化炭素を吸収して炭素を蓄積するという相互関係で生態系は成立しているわけです。

グリーンカーボンは、生物が排出した二酸化炭素の12%を吸収していますが、ブルーカーボンはその倍以上の30%を吸収しています。

二酸化炭素などの温室効果ガスは、地球温暖化の原因とされています。

人間活動は二酸化炭素の排出の増加スピードを加速させてきただけでなく、グリーンカーボンとブルーカーボンの生態系を破壊し続けています。

二酸化炭素の排出を減らす努力はもちろんのこと、植物や森林、さらには海洋の生態系を保護する努力も続けていかなくてはなりません。