成人式は18歳?20歳?服装・マナー・由来・地域差・最近の傾向まで完全ガイド

成人式は18歳?20歳?服装・マナー・由来・地域差・最近の傾向まで完全ガイド

成人式とは?本来の意味と由来を知ろう

新しい年を迎える1月、全国各地で行われるのが「成人式」です。

振袖やスーツ、袴姿の若者が集まり、少し誇らしげに街を歩く姿は、毎年の風物詩となっています。

しかし、なぜ成人式が行われるのか、その意味や由来を知らないまま参加している方も多いのではないでしょうか。

成人式は、人生の節目として「大人になったことを祝う儀式」であり、これからの人生に責任を持つ覚悟を自覚する機会でもあります。

まずは、その歴史や背景を知ってみましょう。

「成人式」の由来は奈良時代の元服にある

日本の成人儀礼は、奈良時代に行われていた「元服(げんぷく)」に由来します。

これは、男子が成人を迎えた証として髪型や服装を改め、名前を改名する通過儀礼でした。

女性には「裳着(もぎ)」と呼ばれる儀式があり、やはり衣装を変えて大人の仲間入りをするものでした。

このような儀式が時代とともに簡略化され、戦後の昭和21年(1946年)に埼玉県の蕨市で開催された「青年祭」がきっかけとなり、現在のような成人式のスタイルが全国に広まったといわれています。

日本独自の文化としての成人式の位置づけ

成人式は、地域社会や家族が新成人を祝福し、社会の一員として迎え入れる場でもあります。

これは世界的に見ても珍しく、日本独自の通過儀礼といえるでしょう。

多くの自治体では市区町村単位で式典を行い、行政や教育機関、地域の代表者が新成人に向けてメッセージを送ります。

この形式は、成人を迎える喜びとともに「これからの人生に対する責任」を自覚させる目的も持っています。

成人年齢と成人式年齢は違う?

2022年4月、民法改正により成人年齢は18歳に引き下げられました。

それにより、「成人式も18歳でやるの?」という声が各地であがりましたが、成人式の対象年齢は自治体ごとに決められるため、全国的に統一されているわけではありません。

この混乱の背景については、次の章で詳しく解説します。

18歳で成人なのに、成人式は20歳?

成人年齢が18歳になったことで、「じゃあ成人式も18歳でやるのが正しいの?」という疑問を持つ方が増えています。

実際、多くの自治体では今もなお「20歳を迎える年」に成人式を行っているのが現状です。

ここでは、成人式と成人年齢のずれが生じている理由や、自治体ごとの対応、今後の方向性などを解説していきます。

成人年齢引き下げと制度の変更点

2022年4月1日から、日本の成人年齢は20歳から18歳に引き下げられました

この変更により、18歳以上であれば、親の同意なしに契約を結ぶことができたり、選挙に投票できたりするようになりました。

一方で、飲酒・喫煙・公営ギャンブル(競馬・競艇など)の解禁年齢は引き続き20歳のままであり、「大人としてできること」が完全に18歳に統一されたわけではありません。

なぜ多くの自治体が「20歳」で実施しているのか

実は成人式の年齢を18歳に変更しなかった自治体が多いのには、18歳が受験・進学・就職などの人生の大きな転機を迎える時期であることが影響しています。

多くの高校3年生にとって、1月は大学入学共通テスト直前の大切な時期

その時期に振袖を着て式典に参加するのは現実的ではない、という配慮から、「これまで通り20歳で実施する」方針を取る自治体が大多数となりました。

18歳・19歳が成人式に参加できる地域もある?

一部の自治体では、民法改正にあわせて18歳を迎える人を対象に成人式を行う方針を打ち出したところもあります。

とはいえ、全国的に見るとごくわずかで、全体の90%以上が従来通り「20歳」での実施です。

また、「18歳と20歳を分けて別々に開催する」といった対応をしている市区町村も一部存在します。

参加できる年齢はどう決まる?自治体の判断とは

成人式の開催年齢は、法律で決まっているわけではありません。

各自治体が住民の状況や地域性を踏まえて自主的に決めているため、同じ都道府県内でも市区町村によって異なるケースもあります。

そのため、成人式の対象者が気になる場合は、自分の住民票がある自治体のホームページや広報誌で確認するのが確実です。

成人式の服装|男性・女性それぞれの選び方

成人式といえば、華やかな振袖姿や凛々しいスーツ姿が印象的です。

服装は自由ですが、「一生に一度の節目」としてどんな装いを選ぶかは大切なポイントです。

近年は選択肢も多様化しており、それぞれのスタイルに合った服装選びが可能になっています。

女性の定番は「振袖」|レンタル・購入・ママ振

成人式の女性の服装で最も多いのが、「振袖」です。

振袖とは、未婚女性が着る最も格式高い着物で、袖が長く、華やかさと若々しさを演出してくれます。

振袖の用意には、主に以下の3つの方法があります。

  • レンタル:手軽で種類も豊富。前撮り・当日着付け込みのプランが多く、費用は10万~30万円が相場。
  • 購入:一生モノとして自分の振袖を持ちたい人向け。将来的に子や妹に受け継げることも。
  • ママ振:母親や親族の振袖を仕立て直して着用。思い出を引き継ぎつつ現代風にアレンジできるのが魅力。

小物やヘアスタイルで個性を出す人も増えており、オーダーメイドの髪飾りや和洋ミックスのコーディネートも人気です。

男性はスーツ?袴?地域や本人のスタイル次第

男性は、スーツが多数派ですが、袴姿で参加する方も少なくありません。

特に地方では袴姿の新成人が目立つ地域もあります。

服装 特徴 選ぶ理由
スーツ フォーマルな洋装。ビジネスにも使える。 経済的、落ち着いた印象、着慣れている
袴(羽織袴) 伝統的な和装。華やかで格式高い。 記念として、個性を出したい、家族の希望

どちらを選ぶかは自由ですが、自分らしく、かつ式典にふさわしい装いであることが大切です。

最近は個性重視のコーディネートが人気

近年では、男女問わず「個性」を意識したコーディネートを楽しむ方が増えています。

たとえば、伝統的な振袖にスニーカーを合わせたり、色や柄で人とは違うアレンジを加えたりと、「成人式=自分を表現する場」として捉える若者が増加傾向です。

ただし、式典の雰囲気や地域性を尊重することも大切です。

過度な露出や周囲に不快感を与える装いは避けましょう。

洋装と和装、どちらを選んでもOK

成人式の服装に「正解」はありません。

自分の気持ちに合ったものを選び、心から納得できる装いで参加することが大切です。

予算や家族の意見、思い出を大切にしたい気持ちなどを総合的に考慮し、後悔のない選択をしてください。

地域によって違う?成人式の開催日やスタイル

全国で行われている成人式ですが、その開催日やスタイルは地域ごとに大きく異なります

気候や地理的条件、地域文化などによって工夫されている例も多くあります。

「成人の日」だけじゃない?地方の開催時期

国の祝日としての「成人の日」は毎年1月の第2月曜日ですが、すべての成人式がこの日に開催されるわけではありません

多くの自治体ではこの「成人の日」前後の土日を選んで開催しますが、以下のような例もあります。

  • 雪深い地域ではお盆(8月)に成人式を行う:移動のしやすさや帰省時期に合わせた配慮。
  • 離島ではGW(5月)に実施:帰省できるタイミングで開催しやすいため。
  • 大都市ではホールの予約状況により1月1週目や3週目に行うケースも

式の日程は自治体の判断に任されており、年末に送られてくる案内状(招待状)を確認する必要があります。

式典+懇親会+二次会...地域差が大きい構成

成人式は式典のみで終わる自治体もありますが、地元によっては懇親会や同窓会、二次会までセットで行うところもあります。

特に地方では、小中学校の卒業生が集まり、「同窓会的イベント」としての色合いが強いケースもあります。

一方、大都市圏では学校が分散しているため、式典だけ参加し、その後は個別で仲間と集まるスタイルが多くなっています。

成人式をしない自治体や「オンライン開催」も

最近では、予算の都合や新型コロナの影響などから、成人式を開催しない自治体も一部出てきています。

その代わりに、記念品を郵送したり、動画メッセージを配信するなど、オンラインで祝う取り組みも行われています。

このように、自治体ごとに大きく異なる成人式のかたち

式に出席する前に、住んでいる地域の開催形式を確認しておくことが重要です。

雪国や離島はお盆やGWに行うケースも

北海道や東北の豪雪地域、また沖縄・奄美などの離島では、成人式を1月ではなく夏に行うケースが多くあります。

これは、交通の便や気候を考慮した合理的な判断です。

帰省のタイミングに合わせた日程で実施されるため、同級生が集まりやすく、地元のつながりを大切にする地域性が表れる良い例といえるでしょう。

成人式の流行・変化|最近のトレンドを紹介

近年の成人式は、従来の「式典に参加して振袖やスーツを着るだけ」ではなく、新しいスタイルやトレンドが生まれています。

価値観の多様化とともに、「自分らしさを表現する成人式」が注目されています。

写真だけの「前撮り式」や「家族だけ成人式」

成人式に参加せず、記念写真だけを残す「前撮り」というスタイルを選ぶ人も増えています。

近年では、スタジオでの撮影にとどまらず、ロケーションフォトや和風邸宅での撮影など、こだわりのある前撮りが人気です。

また、「家族だけで成人を祝う会食をする」「地元の神社で祈願する」など、自宅でのささやかな成人式も支持されています。

「推し活」や「テーマカラー」ドレスアップが人気

Z世代らしい感性として、「推しのイメージカラー」に合わせて振袖やネイルをコーディネートする人もいます。

「テーマカラーは紫!」「髪飾りは推しのアイテムと同じ」など、自分の趣味や個性を大切にする成人式が注目されています。

このようなスタイルは、SNSでも発信されやすく、「#成人式コーデ」「#推し色振袖」などのハッシュタグで共有されることも増えています。

地元離れ・帰省せずに都市部で祝う若者も

大学進学や就職で地元を離れた若者の中には、成人式のために帰省せず、都市部で自分なりに祝うという選択をする人もいます。

式に参加しなくても、友人とフォトスタジオで記念写真を撮る、カフェで小さなパーティーを開くといった形で、「自分たちだけの成人の祝い方」を楽しむケースも増加中です。

二十歳の集い・二分割式典など新しい形も登場

名称を「成人式」から変える自治体も増えており、「二十歳(はたち)のつどい」「はたちの集い」「20歳を祝う会」など、多様な呼び名が登場しています。

また、参加人数が多い都市部では、式典を午前・午後に分けて実施する「分散開催」や、式典部分のみを短時間で済ませるシンプルなスタイルも見られるようになりました。

成人式に参加する?しない?悩む人へのヒント

「成人式に参加したくない」「人前に出るのが苦手」「行く意味がわからない」と感じる方も少なくありません。

参加する・しないのどちらを選んでも構いません

ここでは、迷っている方に向けて、考えるヒントをご紹介します。

「行きたくない」と感じる理由と向き合う

成人式に行きたくない理由にはさまざまあります。

人間関係の不安、会いたくない人がいる、服装や準備が面倒、経済的な負担、そもそも興味がないなど、それぞれの背景があります。

まずは、自分の気持ちを否定せずに認めてあげましょう。

周りが行くからという理由で無理に参加する必要はありません

参加しない選択もOK|違う形で祝う方法も

成人式に参加しない場合でも、大人になった自分を祝う方法はいくらでもあります。

たとえば、以下のような過ごし方があります。

  • 両親と食事をして感謝の気持ちを伝える
  • 自分へのご褒美として少し贅沢な買い物をする
  • 手紙や日記で将来の自分に向けたメッセージを残す
  • 神社に一人でお参りし、静かに決意を新たにする

形式にとらわれない「私の成人式」をつくることが、後悔しない選択につながります。

家族と静かに過ごす「わたしの成人式」

特に親世代は、「成人式に出てほしい」「晴れ姿を見たい」と思っていることが多いです。

もし参加を迷っているなら、式には出なくても、写真だけでも撮る・一緒に食事をするといった形で、家族との思い出を残すことを考えてみてはいかがでしょうか。

まとめ|成人式は人生の節目、自分らしい選択を

成人式は、人生の大きな節目を祝う大切な機会です。

しかし、年齢や服装、参加方法など、すべてにおいて「こうでなければいけない」という正解はありません。

18歳で成人になった現代においては、形式よりも、自分がどんな大人になりたいかを考えるきっかけとして成人式をとらえることが大切です。

参加しても、参加しなくても構いません。

「今の自分を祝福する」「これからの自分を見つめる」そんな時間を持つことで、きっと前向きな一歩を踏み出せるはずです。

一人ひとりの「大人としての第一歩」が、より自分らしく、意味のあるものとなりますように。

よくある質問(FAQ)

成人式は18歳ですか?20歳ですか?

法律上は2022年から成人年齢が18歳に引き下げられましたが、成人式は多くの自治体で20歳を対象に実施されています

自治体によって対応が異なるため、住民票がある地域の案内を確認するようにしましょう。

成人式に振袖や袴は必ず必要ですか?

いいえ、必ずしも振袖や袴を着る必要はありません

スーツやワンピースなどでも問題ありません。

大切なのは、式典にふさわしい清潔感と、自分らしさを大切にした装いです。

成人式に行きたくないと感じるのはおかしいですか?

決しておかしくありません。

行かない選択も正しい判断のひとつです。

参加するかどうかは自分自身で決めてよく、家族との食事や記念写真など、自分なりの成人の祝い方を選ぶ方も増えています。

成人式に参加しないと不利になることはありますか?

成人式への参加・不参加は、就職や進学に影響するようなことはありません

あくまで個人の自由です。

ただし、地元の友人と会える貴重な機会になることもあるため、一度参加のメリットとデメリットを考えてみるとよいでしょう。

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