天ぷら油やミドリムシの航空燃料(SAF)で飛ぶ飛行機

人間社会を大きく変えたものとして飛行機が挙げられます。

飛行機が一般的な乗り物になってから100年も経たないくらいの歴史ですが、人々は飛行機により世界中を往来できるようになりました。

飛行機は異なる国や地域間を短時間で移動することができるため、現在では国際的なビジネス取引や投資活動を促進する手段となっています。例えば、グローバル企業の経営者や専門家が、短時間で世界各地を移動してビジネスを展開できるようになりました。

飛行機による旅行が容易になったことで、人々は異なる文化や言語を体験する機会を増やすことができるようになりました。また、異なる国や地域を訪れることで、相互理解が深まり、国際的な友好関係を築くことができます。

それに伴い、観光産業が急速に発展しました。人々は簡単に海外旅行や長距離旅行を楽しむことができるようになり、異なる国や地域の文化や自然を体験することができます。

移民や留学生の数も増加しました。異なる国や地域での学びや働き方を選択できるようになり、国際的な人材交流が促進されました。

飛行機は、短時間で遠距離を移動できることから、現代社会においては必要不可欠な存在です。しかし、飛行機の運航には、大量の燃料を消費し、大気中にCO2や窒素酸化物などの温室効果ガスを放出するため、地球温暖化や環境汚染の原因となっています。

飛行機が放出する温室効果ガスの排出量は、世界の二酸化炭素排出量の約2%に相当し、その量は増加傾向にあります。また、飛行機が発する騒音や微小粒子も、周辺の環境に悪影響を与えることがあります。

このような環境問題に対して、航空業界は様々な取り組みを進めています。持続可能な航空燃料(SAF)の普及や、航空機の燃費を向上させる技術の開発、航空路の最適化による燃料の節約などが挙げられます。

持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、SAF)は、石油由来の航空燃料に代わる、より環境にやさしい航空燃料のことを指します。SAFは、再生可能エネルギー源から生産されるため、二酸化炭素の排出量を削減することができます。一般的に、バイオマスや廃棄物から製造されます。

SAFは、環境保護に配慮した取り組みの一環として、世界中の航空会社や航空機メーカー、政府機関などが注目しています。国際航空輸送協会(IATA)は、2030年までに全世界の航空燃料のうち、10%がSAFに置き換えられることを目指しており、航空業界全体でSAFの普及を推進しています。

ただし、SAFの生産には、バイオマスの供給や精製技術の開発、コストなどの課題があります。また、SAFの生産に用いられるバイオマスが食糧として利用される場合や、森林伐採による生態系の破壊が懸念される場合もあります。そのため、SAFの持続可能性を確保するためには、社会全体で環境に配慮した取り組みを進めることが求められます。

天ぷら油など調理済油から航空燃料(SAF)を作る

天ぷら油などの調理済油からSAFを作ることができます。

調理済油は、レストランや食品加工業者などから回収され、通常は廃棄物として処分されます。

しかし、これらの油は、燃料に再生することができます。

調理済油からSAFを作るには、以下のような工程が必要です。


収集と前処理:調理済油を収集し、不純物や水分を取り除きます。


精製:前処理された調理済油を反応器に入れ、燃料に適した化合物に変換します。このプロセスは、エステル化や加水分解などの化学的な反応を使用します。


分離:反応が完了したら、燃料と未反応物を分離します。これには、蒸留、精製、および分離技術が使用されます。


混合:必要に応じて、製品に他の成分を加えて燃料を調整し、SAFとして使用できるようにします。これらの成分には、アルコール、アルカン、アルケン、および芳香族炭化水素などがあります。


検査:最終製品が安全かつ高品質であることを確認するために、燃料を検査します。これには、燃料の化学的特性、物理的特性、および安全性に関するテストが含まれます。


調理済油からSAFを作ることは、従来の石油ベースの航空燃料に比べて、より持続可能で環境にやさしい方法です。

また、このプロセスによって、廃棄物を再利用することができ、地球温暖化を抑制するためにCO2排出量を削減することができます。

例えば、日本航空やANAなどの航空会社は、調理済油からSAFを作るためのプロジェクトに積極的に取り組んでいます。

また、日本の一部のレストランや食品加工業者も、調理済油を再利用してSAFを作るためのプロジェクトに参加しています。

これらは、地球温暖化を防止するために必要な取り組みの1つであり、航空産業にとっても重要な取り組みです。

ミドリムシの燃料で飛ぶホンダジェット

ホンダジェットがミドリムシ由来のバイオジェット燃料を利用して飛行しました。

ホンダジェットは大手自動車メーカーのホンダの航空機事業の子会社であるホンダ・エアクラフト・カンパニーの小型ジェット機です。

ホンダの高度な技術力と信頼性が航空機事業に生かされていて、デリバリー数という引き渡し件数で2020年までに4年連続で世界第1位を達成しています。

一般的な小型ジェットではエンジンの配置が胴体後部についているのですが、ホンダジェットでは主翼の上面に設置されています。

そのため、エンジンの振動の影響を受けにくく、機内の揺れを抑えにれるため、静音性に優れています。

最大巡航速度が時速782km、最大運用高度が13,106m、航続距離が2,661kmと速く高く遠くまで飛べる性能は小型ビジネスジェット機で最高クラスの性能を誇っています。

一般顧客向けチャーターサービスも開始し、2021年5月には最新モデルのホンダジェット エリートSを発表しました。

今回、ユーグレナ社が開発したバイオジェット燃料の「サステオ」を利用した初フライトが行われ、2021年秋からの一般向けのチャーターフライトでもバイオジェット燃料の「サステオ」を選択できるようになります。

「サステオ」の原料には使用済食用油と微細藻類ユーグレナいわゆるミドリムシを由来とした油脂を使用しています。

航空業界にとって環境に配慮した事業展開を目指すことは大きな課題となっていますが、バイオ燃料を使用することで二酸化炭素排出量を削減できるため、大いに期待されています。

バイオジェット燃料の分野で先行している海外メーカーに追いつき、世界をリードする存在となっていくための第一歩となることが期待されています。

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